それいゆ2020年5月号は、男性初の在宅看護専門看護師の平山司樹さんを取材しました。

専門看護師とは、5年以上の実践経験+看護系大学院で修士課程修了及び審査に合格することでようやく認定される資格です。更新は5年ごとで、患者・家族への支援、 看護職への教育、組織マネジメントがミッションです。平山さんの在宅看護の他、がん看護や精神看護など13の専門があります。詳しくは、看護協会のホームページをご覧ください。

取材を受けてくださった平山さん

男性初の在宅看護専門看護師。看護師になったきっかけは、家族との別れ。
「中学生の時、がんで祖母を亡くし家に帰りたがっていたのにできなくて…。人生の最期がこれでいいのかと疑問を持ち、同じような人の支えになりたいな、と思ったんです。」 24歳の時に、看護教育が充実している高知県に単身移住。高知大学医学部看護学科を経て高知県立大学大学院へ。卒後、在宅看護 専門看護師として高知で活躍。昨年地元である大阪に戻り、訪問 看護ステーションかっさい管理者に。

在宅看護専門看護師ってまだまだ少ないと思うのですが、どんなところで活躍されているのですか?

私のように訪問看護ステーションで働く人もいれば、急性期病院の地域連携室で活躍され ている方もいます。他職種との連携において力を発揮している方が多いと思います。私も「在宅を専門にする看護師として地域貢献がしたい」という視点で動いています。

専門看護師となってどんな変化がありましたか?

周囲へのアプローチが変わりました。以前は自分の気持ちばかりが強くて、出来ない原因 を外に求めていたと思います。そのため医師と対立することもありました。「患者さんが帰りたいといっているのになぜ出来ないんです か?」と言ってみたり…。

医師に?看護学校卒業してすぐ位のお話ですよね。まっすぐ…。そういった衝突が無くなった?

ないですね(笑)
そもそも医師が「出来ない(在宅に帰せない)」と判断するときは、必ず理由があるんですよ。 病院の医師の場合だと、在宅の医療に不安を持っているのかもしれない…。 信頼できる訪問看護ステーションがないのかもしれない…。自分が診ている患者さんですから責任を持ちたいですよね。あとは、患者さんが遠慮がちで「帰りたい」という希望(本音)を伝えていないケースもありますよね。

今の平山さんなら、そんな時どうやって対応を?

在宅医療に対して持ってらっしゃるであろう不安に答えます。病院の医師が地域の看護に不安を持つのは当然といえば 当然です。病院ほどの設備もマンパワーもないのですから。 私なら、訪問看護ステーションの管理者ですから、訪問看護ステーションで「出来ること」を説明し続けます。「在宅でもこのくらいはできるのですよ!」ということを発信し続けることで徐々に信頼を得られる、と思っています。

次号も平山さんをご紹介する予定です。

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