‐‐圧迫感なく職員全体の意識を高めることが大切?

そう思います。私自身もピークの時は心身ともに追い込まれていましたので、このほっこりするポスターを見て、癒され、「第2波、第3波に向けて頑張ろう」と励まされたんですね。

「感染管理室で心を1つにしながら院内感染予防に取り組めることをコンセプトに作成」(出所)神戸市立医療センター中央市民病院 感染管理室
難しかったところは?

情報伝達です。医療機関はとても特殊なところです。夜勤に従事する職員がいたり、中途採用者や短時間勤務者、パート職員など雇用形態も様々です。そのため、当院では、日々変更する対策をタイムリーに伝えることが完璧にはできていませんでした。その結果、あってはいけないことですが、「変更した対策を知らなかった」、「レッドゾーンに無防備で入りかけた」などの出来事がありました。現在は、電子カルテのトップ画面に、「職員が毎日確認するアイコン」を設置しました。更新日毎に記事を並べて見やすいように工夫し、重要会議の議事録や資料は全てアップして、全職員が閲覧できるようにしました。日々変更するマニュアルは変更部分をマーカーで記すなどの取り組みをしています。

連載のしめくくりに一言お願いします。

この状態は「向こう何か月かを乗り切ればなんとかなる」という状況ではなく、年単位で継続すると思われます。オーバーワークから疲労が積み重なり、疲弊が生じている職場も多いでしょう。しかし、「一人の人間が出来ることは限られていますが、複数の人で前向きに協力できれば危機を乗り越えられる」(当院のインフェクションコントロールドクターより)はずです。一人でも多くの人が、「こうしたほうがよいと思う」と知恵を提案し、実践に力を貸していただければと思います。


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