昨年、「それいゆ」イキイキ現場リポートでご紹介した、大阪市の「訪問看護ステーション かっさい」、管理者・平山司樹さんが日経ヘルスケアさんの3月号に取り上げられていました。新たな取り組み『かかりつけ看護』を始められたとか。大変興味深い内容だったので、お手元にお持ちの方はぜひお読みください。

商品画像 日経ヘルスケア

掲載されているのは、日経ヘルスケアさん3月号-特集2 「もしもの時」 の話をしよう

・ 「もしもの時」 の話をしよう アドバンス ・ ケア ・ プランニング ACPで深化する看取り
・COVID-19で早期のACP実施が重要に
・ツールや新サービス提供で広がるACP

日経ヘルスケア3月号54P~

保険診療でカバーできない様々なお悩みに対応する看護のサブスク

平山さんが提案されているのは、「かかりつけ看護」。見守りサービスと相談機能を組み合わせた保険外のサービスです。孤独死への不安やもしもの時のための備えなど使い方は様々。病気の予防、早期発見、災害の備え、ACP・就活支援などにも対応しています。サービスは、医療や介護に限ったことではなく、各種手続きや支払いについての相談なども含みます。高齢者や障害を持つ方が困っていることに対して柔軟に対応していくシステムです。プランは1か月5千円、8千円、1万円の3種類ですが、生活保護受給者の方には別途対応します。離れて暮らす家族からの相談にも対応していて融通が利くため、幅広いところから問合せが相次いでいます。

基本は月5千円のプラン

基本コースは月5千円で訪問見守り1回と健康管理、服薬指導、個別トレーニングの提案、就活支援などが含まれます。電話相談は月曜日から土曜日の9時から17不\時まで。新型コロナウイルス感染時の急変に備えて入会する人もいるとか。サービス開始から1か月ですでに8人の利用者を獲得。看護師、理学療法士、ソーシャルワーカーの3人で対応しています。

延命や回復といった想像できるモノではなく、見たことのない新しい価値を作り出せるのではないか、という期待

価値共創(Co-Creation)という概念があります。医療であまり語られることはありませんが、一般の業界で大きな注目を浴びている概念で、企業と顧客が一緒になって価値をつくり出すことを指しています。

かつて、「価値」とは、サービス提供側が「モノ(商品)」で提供するものでした。しかし今、「価値」は、サービス提供側とさまざまなステークホルダーがともに作り上げていくものになっています。

平山さんの取り組みは、保険の垣根をこえて、自由度の高い個人にあった看護を提供するサービスです。従来の保険サービスというモノを提供して対価を得るのではなく、在宅を価値創造の「場」と捉え、新たな価値(たとえば、満足のいく看取りなど)を創造します。平山さんにとって、利用者さんは、たんに「お客様」ではなく、サービスを創造するプロセスのパートナーです。よって、「お客様」たる利用者も自分の望みに応じてアレンジが可能で、満足度も高まります。

「利用者が希望する場所で最後を迎えられるようにする」平山さんのミッションに共鳴し、各方面からの問い合わせも多数とのこと。不動産屋や有料老人ホーム、ケアハウスなどからのコラボレーションの提案もあるそうで、価値共創の場が地域全体に広がっています。

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