健康投資という言葉をご存じですか?
従業員の健康維持・増進に取り組むことで、医療費の適正化や生産性の向上が図られ、企業イメージの向上につながるとして、そうした取り組み必要な経費を将来に向けた投資ととらえること。
たしかに、従業員の健康維持・増進に取り組むことで、医療費の適正化や生産性の向上が図られ、企業イメージの向上につながることがありますよね。働く従業員としても、自分が属する組織が、健康保持や増進や健康投資に積極的だとしたら、満足度は高くなります。結果として生産性の向上や組織の活性化をもたらす、ということは十二分に考えられます。
阻止の価値向上につながる健康投資、どうやれば?
経済産業省は、東京証券取引所と共同で、従業員等の健康管理を経営的な視点で考えている上場企業を「健康経営銘柄」として選定しました。国としても「健康投資」を加速させたい考えなのでしょう。企業等における健康経営の取り組みをさらに促進するため、2019年9月から「健康投資の見える化」検討委員会を開催しています。ここでは、健康投資やその効果の見える化に向けた検討を実施したり「健康投資管理会計ガイドライン」を策定したりしています。その中の一つが「健康投資管理会計」。これは、健康投資の実践ハンドブック。本来の投資のように、結果が数字で明確に表れない「健康」という数値にどうやってアプローチしていくべきか、戦略を示しています。
戦略マップ制作はアイディア出しの手段
経営の王道は、PDCAをいかにして回すか。このガイドラインもその流れに従ってできています。健康経営のPDCAを回す手順としては、「①戦略マップ」「②健康投資シート」「③健康投資効果シート」「④健康 資源シート」という4つのシートを順番通りに作成することを勧めています。戦略マップの描き方などは、別にエクエルシートも用意されています。
経営戦略を画餅としないために
それぞれの企業にはそれぞれ課題があります。ですから本来戦略もバラバラなはずですが、どこからから借りてきたような戦略フレームワークを使ってしまうため、経営戦略が画餅同然となります。ましてや「健康経営」となるとなおさらでしょう。「結果」が出なければ、投入した時間や費用はコストになります。ではどうすれば、このコストを投資とすることができるのか。それは組織がストーリーを持つことです。具体的には、「当社の定義する健康とは何か」や「健康と経営の関係」について、経営者や従業員、外部のステークホルダーが語れるようになることです。“戦略マップ”は、そのストーリー作りツールとして活用できると思います。
医療や介護業界は、一般の業界よりも健康に気を付けるべき業界です。ぜひちらりと見てみて、取り入れてみてください。