戦時下並みの対応
もう一年以上続くコロナ禍。
まるで戦時下の状況(僕は戦争を知らない)だ。
ならばいっそ、戦時体制だと考えればいいのでは?
実際、諸外国はそういう視点にたって、様々な実践をしているらしい。
しかし我が国は…。
とかく情報の発信、公開の不手際が目立たないか。
その上、「諸外国に比べて感染者数、死亡数が圧倒的に少ない」などと言う。
もう「いい加減にしろ!」と言いたくなる。
戦争体験者に言わせると、今の政府は「昔の戦争時の日本国大本営発表と一緒で何も変わってない」とのこと。それではあまりに進歩がない。「失敗の本質」など、名著を参考にし、繰り返すことがないようにしたい。
外の世界からの示唆
最近、オンラインで「一般のセミナー」を聞いてみた。
メンバーは、経営学者、経済学者、経営者、若手の起業家、シンクタンク等の皆さん。
大いに示唆を得たし、納得したのでここに記す。
彼らによれば、「もうコロナ以前には戻らない」という。
そして次のようなことも言っていた。
- これまでの「常識」は通用しない(幻想である)。
- 諸外国は日本より5から10年、前倒しでことを考えている。
- 透明性とガバナンスが重要で、意思決定の過程は透明化が必要。
- 多様性の重要性
- 遅々として進まないデジタル化、中身のないデジタル化
それからもう一つ、日本は経路依存性であるということ。
経路依存性とは、過去に下された意思決定や強固な既存システムが「変化」を阻んでいる状況のことだが、彼らによれば、経路依存性が日本の衰退要因であり、この打破が必要とのこと。納得する。
予測不可能な時代、経路依存性では立ち行かない
現代は、ブーカ時代といわれている。
VUCAとは、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の頭文字から取った言葉で、現代の経営環境を取り巻くキーワードだ。
医療業界に身を置いていると、世の中の動きに鈍感になってしまうが、VUCA…たしかにそうだ。
不確実性が高く、環境が不透明で変化が激しい時代である。
そのような時代に生き残ろうと思ったらどうすればいいのだろうか。
それは、自ら変化すること、それしかない。
現状維持はあり得ず、新しい価値を生むために、前に進むために、イノベーションを目指すことが不可欠だ。だから、一般の企業の人たちは、切磋琢磨している。
しかし医療はどうだろう。
医療だって先行きは十分不透明だ。
コロナのようなことも起きうる。
考えなければいけない。
コロナの時こそ、全て変えられるチャンスである!
医療は、様々な要素が絡み合っていて、部分的に変えることが難しい。
まさに経路依存性に陥っている。
しかし、この一年でいろいろなことがわかったと思う。
過去の慣習にとらわれていて何ができる?
こだわるべきものは何か。
真摯に考えないと!
最前線で戦っている仲間のために!コロナを乗り越えるために!
「今までこれでやってきたから…」ということを、そもそも考え直す!
今、考えるべきは、本当に緊急時に対応できるシステムだ。
それを真剣に一人一人が考える時期だ。
みなさんもお考えください。一刻もコロナが落ち着くのを待つ日々です(もう少しの我慢かな?)
岡 伊津穂
医学博士ICD感染制御医
NPO法人日本医療・福祉環境サービス法人 理事長
職業感染共済会 理事長/ 職業感染制御研究会幹事
特定非営利活動法人日本医療・福祉環境サービス協会(JHWESA) 理事長