前回は、ハラスメントについてお伝えしましたが、難しいのは、「ハラスメント」と「指導」の線引きです。「ハラスメントのつもりではなかった」「指導のつもりだった」というのは、本当によく寄せらえる相談です…。「ハラスメントではなく、つい怒ってしまっただけ」という人もいますが、管理者が「どういうつもりだったか」よりも「相手がどう受けとったのか」に気を配るべきです。

指導はやるべきことですし、怒りも自然な感情ですから、無理に抑えこむことはよくありません。しかし、必要以上に怒ったり、怒りの感情を無理に抑えると、人間関係や仕事でトラブルになったり、相手の心身の健康にダメージを与えることがある、ということは理解しておいてください。

そこで注目を集めているのがアンガーマネジメントです。これは、怒りの感情(アンガー)と上手に付き合う(マネジメントする)ことにより、怒りから生まれる悪循環を防ぎ、良好な人間関係を築ぐための心理トレーニング法です。代表的なやり方をいくつか紹介します。一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会(https://www.angermanagement.co.jp/)の資料を参考にしています。

STEP1 6秒間待つ

感情のピークは最初の6秒。大きく深呼吸したり、頭の中で6まで数えたり、まず6秒間待つことで、怒りのピークをやり過ごす。

STEP2 自分を怒らせた正体を知る

ある人が又はある出来事が、自分を怒らせたと考えがちですが、その正体は“べき”という概念。仕事はこうやるべき、部下はこうあるべきなど、
自分が信じている“べき”(自分の価値観)が裏切られたときに人は怒りを感じる。自分の“べき”を知り、怒る前に自分の怒りを察知できるようになりましょう。

STEP3 “べき”の境界線を広げる

どういう“べき”を信じるかは人それぞれですが、その境界線により怒る回数は増減します。自分と同じ“べき”(OKゾーン)と自分と違う“べき”
(NGゾーン)の他に、少し違うが許してもいい中間(許容ゾーン)を作り、“べき”の境界線を広げることで、怒らなければいけないことが減ります。

怒りは反応で、思わず起きるものですから、アンガーマネジメントを行うには、いつも意識をしていることが大事です。そこで今回は、アンガーマネジメントを意識するための広報物を作りました。名札の裏やカードケースなどに忍ばせておけるよう、カードサイズを想定しています。病院長など管理者から、マネジメント層へ渡して、意識改革を促すようにしてください。(   )には、アンガーマネジメントをしてほしいマネジメント層の名前を入れてください。

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