Bonjour!それいゆ編集部・瓜生です。M&Cパートナーコンサルティング パートナーの石井洋(ひろし)先生から労務管理のお原稿が届きました。先生には医療機関経営者や介護施設経営者の方からのご質問に答えていただき、その内容を掲載しています。今回のご質問は、「テレワークを導入しようか」と検討中の医療機関経営者の方から。コロナ禍の中、こうしたご相談が増えています。

石井洋先生はこんな方

石井洋先生

社会保険労務士/(株)佐々木総研 人事コンサルティング部 部長/長崎出身。九州大学卒業。社会保険労務士。フットワークが軽く、かゆいところに手の届くコンサルティングで、主に若い経営者からの人気を誇る。就業規則や人事考課制度の見直しから、スタッフミーティングの開催など、幅広いコンサルティングを行う。セミナー講師の経験も豊富で、その場のニーズに合わせた柔軟なセミナーを得意。趣味はバドミントン・フットサル・旅行。

石井先生のコラム

新型コロナウイルス感染症の影響等もあり、今後部署・職種によっては テレワークの導入も検討の余地がありそうです。テレワークを導入する 上での労務管理上の留意点について教えてください。

テレワークとは、インターネット等のICTを活用した場所にとらわれない柔軟な働き方で勤務場所から離れて、自宅などで仕事をする働き方のことをいいます。(参照:テレワーク導入のための労務管理Q&A集より)

医療機関を経営されている皆様は、テレワーク導入について難しいという認識をお持ちかもしれません。

ただ、今回の新型コロナウィルス感染症の対応において、在宅でも仕事ができる環境が否応なしに意識されるようになり、医療機関や介護施設の方であっても、「なんとかテレワークが導入できないか」とお考えになるケースが増えてきています。

テレワーク導入前、やるべき5つのプロセス

  • 導入の目的を明確に
  • 検討段階から社内で共有化する
  • 推進体制をデザインする
  • 実施範囲を区切る
  • 対象者・業務を決定する

すべての業務をテレワークで実施することは困難である可能性が高いため、テレワークと親和性が高い業務からまずは導入を検討します。更にテレワークの対象者は、ある程度の自己管理と業務を自身で進捗させることが求められるため、会社によっては対象者を限定することも大切です。

しなやかな管理と信頼関係が成否を分ける

テレワークにおいて難しいのは、対象者の勤怠管理の方法でしょう。テレワークの場合であっても労働基準法の適用対象です。自宅での実施の場合、業務時間とプライベートの時間が混在する可能性があり、業務時間が延々と延びてしまう可能性もあります。

始業・終業時間の管理と報告、業務の進捗の確認方法、時間外労働の管理については事前決定が必須です。eメールやチャットシステムでの連絡で時間管理を行う事も考えられます。

ちなみにM&Cパートナーコンサルティングのスタッフは、チャットワークを導入し、下記のように、出勤時、休憩時、退社時にそれぞれの上席にテキストメッセージを送っています。

テレワークの場合も就業規則によりますので、就業規則が想定する通常の労働時間と時間帯が異なる際は就業規則の改定も見据えます。

通信環境の構築や情報端末機の利用が必要となる場合

テレワークを導入する際に、自宅での通信回線を利用するのか、端末機は貸し出すのか、等の環境整備についての費用負担についてルール化しておきましょう。自宅を仕事場とする場合、Wi-Fi環境だけでなく電話代が必要になってくる職種もあります。

働き方を変えるということは大きなこと。だからこそ早めの検討を!

テレワーク導入時のセキュリティ確保のための取り組みや、テレワーク対象者の業務をどう評価するのか等、様々な検討事項があります。働き方を変えるということはそれほど大きなことなのです。だからこそ、こういった取り組みを今から検討して準備を進めていってはいかがでしょうか。

今後の少子高齢化・生産年齢人口の減少を考えると、従業員の育児及び介護による離職を防止する、遠隔地であっても働く環境を整える、通勤負担の軽減等、今後の会社の幅広い働き方の選択肢としてテレワーク導入の必要性が高まってきていると考えます。

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