編集部コラム

全く案がないときに良案をひねり出す方法

2017年03月号「知恵を拝借」でアイディアソンを紹介しました。当時は珍しかったのですが、最近は、アイディアソンを開く医療機関や介護施設が増えてきたな、と感じています。

商品開発に使われることが多いアイディアソンは、医療・介護との相性が良い

「アイディアソンは医療や介護にこそ合う!」と考えています。なぜなら、医療や介護の業界は、それぞれの人が専門職すぎて、使う言葉が違ったりスキルが違うために、何かと誤解も生じやすいのですが、アイディアソンの種類によっては、そういった様々な「壁」を超越したところで話が進めることができるからです。また従来の「会議」形式では、ポジションのある人に遠慮して発言しない人も出てきてしまいます。本当は、「理事長」より、患者さんや利用者さんに接する機会が多いパートの介護職の方のほうが、ぐっと顧客に近づく良い案を持っていたりするかもしれないのに!あるいは、静かで引っ込み思案の人が「おお!」というようなアイディアを持ってることもあるかもしれないのに!だからこそ、アイディアソン♪知的スポーツのような側面があるアイディアソンは、だれでも事前に参加できてしまいます。

ちなみにアイディアソンとは「アイディア」と「マラソン」からできた造語です。

これ良い!と思ったエクスカーション着想法

アイディアソンにはいろいろなやり方があります。一度取材した某介護施設さんは「意見が出るまで籠る」という…根性系合宿タイプのアイディア出しをやっておられましたが、時間をかけてひねり出すより、着想法を使って行うほうが楽しいのでお勧めです。

というわけでエクスカーション着想法をご紹介します。

これは、モノや人あるいは場所からヒントをもらいどんどん発想を広げていく方法です。動物を使って行われることが多い印象を勝手に持っています。社外の方の勉強会でなんどか経験しましたがいずれも動物だったので。以来、自分がホストの時も動物をヒントに着想を拡げています。それいゆ・2017年03月号では「犬」を使ったアイディア出しを紹介したので、今回は「猫」で行ってみますね。お題は「zoomで始めるデイケアのイベント」で考えてみます。

猫へのイメージも人それぞれです。
「猫」で「zoomで始めるデイケアのイベント」を考える
ステップ1 「猫」 から連想する言葉をどんどん書き出す

ポイントは「思いつくまま」に書き出していくこと。考える暇を与えてはいけません。「猫と言えば」で思いつくワードを淡々とピックアップしていきます。キーワードは一つづつ付箋に書いていきましょう。

  • 猫といえば、「ペット」
  • 猫といえば、「可愛い」
  • 猫といえば、「にゃー」
  • 猫といえば、「長靴をはいた猫」
  • 猫といえば、「猫ひろしさん」

こんな調子です。制限時間は2分くらいで良いでしょう。 ファシリテーターはストップウオッチできちんと計ってくださいね。競技のように「よーいはじめ!」と声変えして一気に行ってください。時間内に「何個出せるか?」と競ってもらうと盛り上がります。

だらだらとしないこと。考える隙を与えないことでアイディアを出してもらいますっ
ステップ2 コトバとコトバを掛け合わせる

次に連想して出てきた言葉と別の言葉を掛け合わせて発想をします。たとえば、「zoomで始めるデイケアのイベント」の「イベント」で連想してみましょう。

  • ペット×イベント
  • 可愛い×イベント
  • にゃー×イベント
  • 長靴をはいた猫×イベント
  • 猫ひろしさん×イベント

そんな具合です。どんどん出てきますよ。

  • ペット×イベント → ペットセラピー
  • 可愛い×イベント → メイドカフェ
  • にゃー×イベント → にゃんぱく宣言合唱
  • 長靴をはいた猫×イベント→ 映画鑑賞
  • 猫ひろしさん×イベント → マラソン

こんな感じです。

ステップ3 目的地に向かって連想をする

そこからはいよいよ目的に向かって行きます。お題は、「zoomで始めるデイケアのイベント」でしたよね。「Zoomを使ってできること」を考えたり選んだり。5人程度のチームでも短時間で100に近いアイディアがでますので、「お、これは秀逸!」という案が出てくるかと思います。メイドカフェなんて「?」と思われるかもしれませんが、リアルでメイドカフェ風のおもしろサービスをなさっているデイケアは実際にありますからオンラインでもできるかもしれません。「にゃんぱく宣言」は、「日本動物愛護協会」のCMで話題になっている、さだまさしさんの「関白宣言」の替え歌です。

お前を飼い主にする前に言っておきたいことがある。
かなり厳しい話もするが俺の飼い方を聞いておけ
俺の体、俺より管理しろ
家の外に、出してはいけない
飼えない数を、飼ってはいけない にゃ〜
忘れてくれるな
俺の頼れる飼い主は
生涯、お前ただ一人

にゃんぱく宣言  作詞・作曲 さだまさし

もともと有名な楽曲ですからZoomで取り組んでも楽しめてしまうかもしれません。ちなみに今回は、2人で「30秒」でやってみた簡易アイディアソンですが、まさか「にゃんぱく宣言」が出てくるとは思っていませんでした。普段全く意識していないけれど知っているモノ、事柄あるいはコトバが「ぽん」と出てきてしまうのがこの着想法の面白さです。

最初はスマホの使い方から

こうした提案をすると「高齢者はICTに弱いから無理」というご意見が必ず出ます。それはその通りなのですが、「無理」と言ってしまうと決して前には進みません。COVID- 19の問題はまだまだ長引きそうですし、新規技術が使えるようになると利用者さんたちにとっても利益が大きいと考えています。まずは、「デイケアでスマホの使い方からお伝えしよう~」というように方向転換をして取り組んでいただけたらな、と思います。

ABOUT ME
瓜生千鶴
瓜生千鶴
WEB SOLEIL 管理人。リモートワーカー歴15年。M&Cパートナーコンサルティング所属し、「医療や介護の現場で働く方の活躍を全国に広めること」をミッションに活動。つながりのある方にスポットをあてたりステージを用意することが得意でikigai。