今回から、「マーケティング・コミュニケーション」について連載を始めます。

マーケティングコミュニケーションとは、サービス提供者と消費者、売り手と買い手との双方向のやりとりのこと

です。患者(利用者)側とサービス提供者との間に情報の非対称性がある医療や介護において、「マーケティング・コミュニケーション」は、ことさらに大事ですが、「マーケティング」(顧客創造)という考え方が馴染まないせいか浸透しないのも事実。

しかし、自院が何ができるのか、地域内においてどういったポジションにあるのか、この点を知らせていかなければ、先生たちが来てほしい患者(先生の専門性が発揮できる相手)には来てもらえません。かかりつけ医として総合的に診療をしていくにしても、やはり、内科系なのか外科系なのか。認知症が得意なのか、リハビリに力を入れているのか、基本的な情報を知らせていく努力は必要です。

DX時代とはいえ紙情報はまだまだ使える。

患者側への情報提供として一番に思いつくのはやはり、院内掲示物ポスターです。

ブログだ!SNSだ!などと言っても、医療や介護業界における顧客は、まだまだ紙ベースが基本ですし、診療報酬では、入院基本料の関する事項など、患者への情報提供(掲示)を算定要件としているものもあります。ルールにまで至ってなくとも、インフルエンザ予防接種の予約方法や連携体制、感染症対策など、患者側に掲示でお知らせしたほうが良い情報はいくつもあります。まずは、院内掲示を徹底しSNSには、その掲示物を掲載するようにしましょう。

短時間で見栄えの良いチラシを作る超簡単な方法。

制作にあたり、気にしていただきたいのは制作時間です。時々一生懸命取り組むあまりに、ものすごく時間をかけてしまっている方がいますが、大切な事は、まずは掲示すること(やること)です。とくに施設基準になっているような掲示物は算定に関わってきますので、「迅速」な行動が大事です。

次に心がけたいのは、見やすさ。高齢者が多いクリニックなどではとくに重要です。凝りに凝ったデザインより、文字が大きいか、判読しやすいカラーとなっているかを一番に考えてください。

とは言え、デザインを気になさる場合は、テンプレートを上手に活用してください。規模の大きな病院であればいざ知らず、クリニックなどの場合、専属の「広報担当者」がいるケースは稀です。専門外の事務スタッフさんが、ワードやパワーポイントを前にして、一から見栄えの良いポスターを作り上げようとするのは難しいと思います。今は使い勝手の良いテンプレートサイトがいくつもあります。代表的なところをご紹介します。ただし、病院パンフレットなど特別な広報物には、信頼できるカメラマンやデザイナーの力を借りて作りましょう。

ベストはパワポ。なければワードでも。

チラシ作成にはPowerPointが便利です(もちろんイラストレーターやインデザインをお使いの場合はそちらを使ってください)。クリニックのPCにPowerPointが入っていなければ、Wordでも対応可能です。イラストや写真も上手に活用チラシや広報物を作る時は、写真やイラストを活用してください。ネット上には、商業利用も可能な写真やイラストもあります。

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