LifeStory 感情部 編集部コラム

2021年4月から全介護施設で義務化された虐待防止。だからというのでは悲しいですが、感情コントロールににわかに注目が集まっています。

昨年厚労省は、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する令和元年度の調査結果」を公表しました。

これによると、養介護施設従事者等による虐待の相談・通報件数は2,267件、虐待判断件数は644件でいずれも過去最多と最悪です。

虐待の理由、第2位は感情コントロール

上記資料の「令和元年度高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に 基づく対応状況等に関する調査結果」の4ページをご覧ください。虐待の発生要因のうち最も多いのは、「教育・知識・介護技術などに関する問題(56.8%)」となっています。これは、学ぶことで解決の糸口が見つけていくしかありません(国も、虐待防止研修プログラムの開発を急いでいる模様です)が、問題なのは、第2位の理由です。虐待をしてしまった人のうち、実に26.4%の人が、感情コントロールがうまくいかず虐待をしてしまった、と答えています。

「令和元年度高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に 基づく対応状況等に関する調査結果」より

介護施設等で介護をする方たちが感情コントロールができずに、虐待をしてしまう背景は様々でしょう。「人員不足や人員配置の問題・関連する多忙さ」が深刻なこともよくわかっています。しかし利用者の尊厳を保持しつつサポートするのが介護保険制度の趣旨。虐待はあってはならぬことです。

\虐待防止は今月から義務に/
2021年介護報酬改定では、全ての介護サービス事業者を対象に、虐待の発生又はその再発を防止するための委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定めることを義務づけられました。3年の経過措置期間が設けられておりますが、令和3年4月1日から努力義務として施行されています。

イライラの原因はコミュニケーション不全かも

業務量が多すぎてイライラしてしまうなら、業務を一つひとつ棚卸し、整理し、業務自体をなくしたり、ICT化したりしていきましょう。それでも虐待が絶えないほどイライラしている職場は、職場におけるコミュニケーションがうまくいっていないのかもしれません。業務が大変でもコミュニケーションが充実していいるチームなら支えあいもできます。たかがコミュニケーションと思われるかもしれませんが、これがあれば、高い壁も乗り越える勇気が出てきます。

産業医が紐解くコミュニケーション

コミュニケーション不全については、以前、「それいゆ」で産業医の福田 幸寛先生が詳しく説明してくださいました。とても参考になる記事でしたの改めて次のページでシェアしますね。

(「それいゆ」福ちゃん先生のLife Story ~あなたが本当に望んでいるのは、どんな人生の物語ですか~2020年7月号に掲載分より。)

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