それいゆインタビュー 連携

システムエンジニアの鈴木哲さんに連携について聞いたら地域連携にシステムエンジニアは欠かすことができない存在だとわかりました!

今回は特定非営利活動法人全国連携実務者ネットワーク 事務局長の鈴木 哲さんをインタビュー!
システムエンジニアとして地域連携に貢献されています。

もともと何系のシステムエンジニアさんだったんですか?

ネジや段ボールあるいは醤油といった工場の生産管理システムを構築していました。
システムエンジニアというと、パソコンに向かってプログラムを書いているイメージをお持ちではありませんか? 

まさに!下の写真のような「コードを書く人」というイメージを持ってます。

システムエンジニア

それはプログラマーの仕事なんです。ステムエンジニアの仕事はシステムの設計です。組織におけるインプットとアウトプットを整理し、そのプロセスを最適化させ、結果として組織の生産性を高める仕事なんです。

ちょっと勘違いしてました(笑)でも、そこからどうして地域連携の世界に?

本業の生産管理とは異なる仕事をする機会がありました。それが紹介状を介した病診連携管理システムの構築でした。これがきっかけになったと思います。もともと、キャリアパスについて考えていた時期でもあったので、30歳の時に会社を辞めることを決め独立。今は、地域包括ケアシステムや医療介護連携に関するサービスを提供する会社を経営しています。

独立したのは2004年ごろですね。振り返ると、どんな時代でした?

当時は地域連携といっても、診療報酬が誘導した形の医療機関間の連携のことを指していたように思います。この頃の病院にとって地域とは、競争の場だったと思います。

独立後どんなお仕事を?

ご縁があり山形県の鶴岡地区医師会が運営する訪問看護ステーションの業務システムを構築しました。移住したかのような勢いで取り組んだ仕事ぶりが評価されたのでしょうか、地域連携パスのシステム構築の依頼も続けて受けることができました。これが2007年くらいのことです。

鶴岡公園 荘内神社

地域連携パスのはじまり、システムエンジニアはどんな関与を?

多くの地域が紙ベースで地域連携パスを運用し始めていましたが、鶴岡地域では「地域連携パスのデータは蓄積しなければ意味がない。ICT化に是非もなし」と号令の下、大腿骨頸部骨折、脳卒中の地域連携パスのシステムを構築しました。生産管理の現場で磨いた工程管理の考え方は地域連携パスの構築において大いに活かすことができたように思います。
その頃の地域連携は、療養環境を重視した医療の連携であり、地域連携パスと退院調整による病・病連携が発展しました。この頃の病院にとっての地域とは、共存そして協調の場になってきたように思います。

地域連携って、システムエンジニアさんの働きと共にあるんですね。

そう言っていただけると嬉しいです。実は、当社のモットーは、「システムエンジニアも地域医療・介護の連携を支える職種のひとつ」なんです。

その後はどんなお仕事を?

関わってきた鶴岡地域で、医療と介護のコミュニケーションツールを構築しました。鶴岡地域では以前から在宅主治医と訪問看護師の情報共有のためのICTツールが運用されていましたが、在宅緩和ケアを推進するための在宅医療と介護を一体的に提供する地域づくりを目的としたプロジェクトを受託したことにより、飛躍的に多職種間の人的ネットワークが形成され、これまで限定的に利用されてきたICTツールの利用範囲も、病院、薬局、居宅介護支援事業所へと拡大することになりました。システムの老朽化が進んでいたこともあり、弊社にてICTツールを一新することになったんです。

このお仕事では、連携に「介護」が入っていますね。

そうです。2010年ごろですね。これまでは医療の連携を指していた地域連携が、在宅医療と介護の連携を中心とした地域包括ケアシステムと統合されていったように思います。この頃から病院にとっての地域が、協調から協働の場へと変わっていったのではないでしょうか。

システムが医療や介護を地域の中で繋いでいき、時代は、競争から協働へ

これからの地域連携はどうなると思いますか?

ここまでお話してきたように、15年足らずの間に院にとっての地域は、競争から共存へ、協調から協働の場へと変遷してきました。私がシステムエンジニアとして生産性向上のお手伝いをする対象も、「病院」から「地域」へと移り変わりました。これからの日本は、高齢者のみを対象とした地域包括ケアシステムから深化し、全世代を対象とした地域共生社会の実現を目指しています。地域連携も更なる変容を遂げていくのでしょう。地域連携の傍らで、システムエンジニアにできることは何か。これからも模索していこうと思います。

お話を伺って

地域連携の主役は患者さんで、それを取り巻くようにして医療者や介護従事者がいます。けれど彼らを結びつけるのはシステムなのだ、という当たり前のことに気が付きました°˖✧°˖✧鈴木さんは地域内の複数の施設で患者の医療や介護の情報を共有でき、医療者、介護者が双方向にコミュニケーションをとることが可能なヘルスケアSNS「Net4U」 なども開発されていて、これから始まるDX時代、ますます活躍されそうです。

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